「男はつらいよ」にアニメ版があった!

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お疲れ様です!KIRIです!今回は前回に続いて「男はつらいよ」について書いていきます!

「男はつらいよ」はドラマを始め、映画や漫画でも展開されており、日本中有名になったわけですが、アニメも放送されたことがあります!長らく寅さんを演じたことでも知られる渥美清さんが亡くなって2年後の節目に「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」が放送されました!ざっと「男はつらいよ 寅次郎忘れな草」のアニメ版での相違点、映画版や漫画版から基づいた要素について書いていきます!

映画版に基づいた内容

寅さんが過去に惚れたマドンナを語る場面

後述に記しますが、仲がこじれかけた水原くんとめぐみちゃんが仲直りして、水原くんと博たち、朝日印刷の若手メンバー同士で飲んで、それ以外のメンバーはとらや(アニメ版、漫画版ではくるまや)で晩酌する場面でタコ社長が「寅さんが恋をする度に気を遣っている」と切り出した際に寅さんを始めおいちゃん、おばちゃん、さくら、タコ社長が過去に寅さんが惚れていたマドンナを語るのですが、語るマドンナの内容は映画版に基づいています。漫画版では「柴又慕情」、「奮闘編」、「新・男はつらいよ」が掲載されていなかったため、各作品に登場した「柴又慕情」の歌子ちゃんや「奮闘編」の花子ちゃん、「新・男はつらいよ」の秋子先生(正しくは春子先生)が言及されていなかったのですが、アニメでは3人共言及されています。語ったマドンナは映画版に基づいていますが、おばちゃんが「御前様の娘さん」と映画版では語っているのに対し、アニメ版では「老神温泉の未亡人(だったような…)」となっているのが相違点ですね。

寅さんが酪農の辛さを語る場面

寅さんは一度心を入れ替えて職安にて紹介された酪農の農家に住み込みで働くのですが、あまりの激務で3日程で倒れてさくらに迎えに行ってもらう場面ですが、酪農の辛さを語る場面で漫画版では帰りの汽車で寅さんが真顔で語るのに対し、映画版ではふらふらになりながら語っています。アニメでは映画版同様ふらふらになって坂を下りながら語っているのでそちらの場面は映画版に基づいています。

リリーが姿を消し、寅さんが旅立とうとした際、さくらが寅さんにお金を渡す場面

終盤でリリーは母親との確執や歌手としての仕事が上手くいかず、くだを巻いてとらやを訪ねますが、寅さんはたしなめることしかできず、上手く返せずにいます。その結果、リリーは怒って去ってしまい、寅さんが翌日彼女のアパートに訪ねようとしても既にリリーは引っ越してしまいその後寅さんは再び旅に出るのですが、さくらを呼び出しトランクを上野駅に持ってきてもらう場面から始まります。その後寅さんは「リリーが訪ねてきたらとらやに下宿させてあげてくれ」とさくらに懇願した後、「満男(さくらと博の息子)に飴でも買ってあげてくれ」とお札も渡そうとするのですが、寅さんが500円札(1970年代当時の金額)しかもっておらず「切符買ったときに使っちゃったかな?」と苦笑いした際、漫画版ではさくらが寅さんにお金を渡す際、笑顔で「はい、お兄ちゃん これ!」と渡すのですが、映画版ではさくらは涙を流しながら「お金、もうちょっと持って行けば良かったね」と辛そうな表情で渡します。アニメ版ではこのシーンは映画版に基づいており、漫画版ではいた源公もアニメ版にはこのシーンで登場していません。また、漫画版ではリリーに下宿させてあげてくれと懇願しておらず、さくらが「旅先でリリーさんに会えるといいね」と返すなどやり取りも違っています。

漫画版に基づいた内容

寅さんファミリーやリリーの外見・容姿

寅さんを始め、とらや一家やタコ社長、御前様やリリーの外見や容姿の設定は漫画版に基づいています。特に顕著なのはおいちゃんとおばちゃんであり、おいちゃんは映画版では漫画版とは違い手ぬぐいやメガネをしておらず、おばちゃんは映画版では着物が普段着なのが分かります。(当時演じている俳優さんや女優さんの絡みもありますが…)尚、後述にてまとめますが、水原くんやめぐみちゃんなど一部の人物は漫画版より容姿が変わっています。

寅さんが北海道に旅したときのストーリーの流れ

寅さんがリリーと会った後、旅先である北海道にて語るのですが、その場面が映画版とアニメ版・漫画版で違っており、アニメ版は漫画版に基づいています。映画版では港で語り合うのですが、漫画・アニメ版では寅さんがキャバレーに訪ねてリリーの公演を見た後、リリーと合流しその後公衆の露天風呂で語る内容になっています。また、酪農家である栗原さんのもとに住み込みで働き始めた後の場面も映画版と漫画・アニメ版で違っており、映画版では栗原さんよりとらや宛に送られた手紙によって回送されただけですが、漫画・アニメ版では少し長めになっており、寅さんが乳搾りする場面や乗馬する場面も含まれています。また、栗原さんの家族構成も漫画版に基づいており、漫画・アニメ版では娘であるあや子と息子の進一の子供2人ですが、映画版では娘1人(美由紀)となっています。

のど自慢大会の場面

映画版ではのど自慢大会の場面はありませんが、漫画・アニメ版ではタコ社長がのど自慢大会の実行委員長を任され、寅さんがリリーへのギャラを高く要求しすぎたり司会や参加者が足りないことで中止になりかけるもリリーのためを思って寅さんが司会や参加者を集めようと必死になる場面がアニメ版でも漫画版と同じくあります。

アニメ版オリジナルの内容

水原くんとめぐみちゃんの関係がこじれかけた切欠

「寅次郎忘れな草」では博やタコ社長の職場である朝日印刷の若手で青森出身の水原くんとめぐみちゃんの恋仲の関係も特徴的なストーリーとしてありますが、一度とある切欠によって関係がこじれかけてしまいます。そのこじれかけた切欠が漫画版と映画版とは違っています。漫画版と映画版ではいつものようにめぐみちゃんがとらや(くるまや)を訪ねて寅さんがいたこともあり、今度は寅さんが水原くんを呼びに行くのですが、彼らは密かに愛し合っているにも関わらず寅さんが水原くんに対して「可愛い恋人が待ってるぞ~!」とめぐみちゃんに対しては「恋人、直ぐに来るからね!」と大声で言ってしまい、恥ずかしさのあまりめぐみちゃんが逃げ出し水原くんも慌てて追いかける…その後博達が寅さんの言動を指摘し、映画版では博達が2人を話し合う場を設けて、漫画版は「大勢で追いかけたらデリカシーが欠ける」と言いながらリリーが2人を説得して仲直り…となっていますが、アニメ版ではめぐみちゃんが旅館の息子とのお見合いを打診されていることを水原くんに話しますが、水原くんは自分の気持ちをめぐみちゃんに伝えることができずめぐみちゃんが怒って去ってしまい、いたたまれなくなった水原くんは故郷に帰ろうとし、タコ社長や博に止められるのをそれを見た寅さんが「なんだ辞めるのか、ちょうどいいや こんな工場にいたってしょうがないもんな」と言って促そうとしタコ社長と喧嘩になってしまいます。帰ろうとしている水原くんと必死に止める博も喧嘩になってしまい、それを見たリリーは一喝し「自分の気持ちを伝えておいで!」と水原くんに助言して仲直りする…と言う場面になっています。

水原くんとめぐみちゃんの容姿

アニメ版では水原くんの容姿が1990年代後半の若者の容姿スタイルに基づいており、映画版やアニメ版ではしていなかった茶髪とピアスにしております。タコ社長はその容姿にぼやきますが、おばちゃんからは考えが古いと指摘し、博は「見た目はあんなだけど彼はいい子ですよ?真面目だし」とフォローしています。めぐみちゃんも漫画版ではあったそばかすがなくなりお下げの髪型も若干長くなっています。

のど自慢大会やリリーが歌っている曲

曲関連も1990年代後半に合わせており、特に顕著なのがのど自慢大会でおいちゃん、源公、寅さんが歌う曲も変わっています。おいちゃんは「大利根無情」から「矢切の渡し」、源公は「UFO」からPENICILLINの「ロマンス」(更に金髪のカツラや派手な衣装になっている)、寅さんは「憧れのハワイ航路」から和田アキ子の「笑って許して」に変更されています。また、寅さんが声を枯らす切欠も変わっており漫画版では呼び込みを昼間から行ったためですが、アニメ版では演技で声を枯らしています。

ざっとこのように比較しましたが、詳細はご自分の目でもご確認いただけますと幸いです!

詳しくは下記のリンクからどうぞ!

漫画版
男はつらいよ 車寅次郎忘れな草 (GSコミックス コミック寅さん)

映画版
男はつらいよ 寅次郎忘れな草 HDリマスター版(第11作)

男はつらいよ・寅次郎忘れな草 [DVD]

アニメ版

アニメ 2018 「男はつらいよ 〜寅次郎忘れな草〜」(2023年11月追記:動画が削除されました。)