「男はつらいよ」のトリビア、裏事情など

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お疲れ様です!KIRIです!今回は、ハマってきている「男はつらいよ」の裏事情やトリビア、豆知識?みたいな情報を書いていきます!ファンの中には知ってる情報もあるかと思いますが、お付き合いくださいまし。

映画化される前はドラマだった!

ドラマで構想が練られた経緯やタイトルの由来などは割愛しますが、当初は「男はつらいよ」ドラマで放送されていました。寅さんやおいちゃん、散歩先生などはキャストや設定は映画版とほぼ同じ(但し、おいちゃんの読み方が「りゅうぞう」ではなく「たつぞう」であるなど若干の違いはあります。)ですが、さくら、おばちゃんなどのキャストが映画とは違っているほか、博の職業もドラマでは町医者であり無論タコ社長や御前様も出ていないなど相違点がありました。1968年の10月から69年の3月まで放送されましたが、現存されていて且つDVDに収録されているのは当時の事情の絡みもあり初回と最終回のみ…しかもその最終回が「寅さんがハブに噛まれて亡くなっていく」と言う内容だったためファンになった視聴者からクレームが殺到…そして映画化に結びつくのです。

映画公開当初は20年以上続く予定ではなかった

1969年から映画化が実現されたわけですが、当初は1作完結、然し映画制作側のシリーズ化の要望も有り5作(望郷編)までの予定でした。望郷編はドラマではさくら、博、おばちゃんを演じたキャストがそれぞれマドンナ、マドンナの婚約者(機関士)、マドンナの実家が経営している豆腐屋の主人…とドラマ版でキャスティングされた俳優さん、女優さんを起用してシリーズを締めくくる予定でしたが、観客が横ばいだったのが5割増しと大好評を得て継続が確定!95年まで連続で上映されることになるのです!渥美さんが国民栄誉賞を受賞し、広辞苑に載る切欠になったと言っても過言ではない…筈

名作映画に発展!しかし、変化も多数…

以降、長寿シリーズとして発展してきましたが、長く続いた分スタッフやキャストも歳を取っていくため配役や出演する時間などが変わっていくようになりました。顕著なのがおいちゃんや満男くんです。おいちゃんはドラマから「恋歌」まで森川信さんが演じており、コメディアン出身から落ち込む寅さんを励まそうと変顔を繕ったり犬の遠吠えの真似しては誤魔化そうとしたり、へんてこな一人芝居で笑われたり寅さんと派手に喧嘩をしたり、寅さんが惚れては頭痛の種になり「まくら、さくら取ってきてくれ」など名言?が生まれたり…とエピソード多数ですが、「恋歌」公開後に森川さんは病気を悪化させたことにより亡くなってしまいます。山田監督はおいちゃん抜きの寅さんファミリーにするか代役を立てるか迷ったと語りますが、結局松村達雄さんを後任としておいちゃんを続投させます!松村さんバージョンのおいちゃんは森川さんバージョンよりおとなしめでパチンコ好きと言う設定が加えられましたが、「恋やつれ」までの起用となり、「子守唄」以降は下條正巳さんに交代されます!下條さんバージョンはこれまでとは違い寅さんと派手に喧嘩となったり「出て行け!」と一喝するよりは寅さんに苦言を呈したり居眠りやパチンコすることなくお店の切り盛りも真面目にやっていく雰囲気になりましたが、その反面天然な一面もあり「指一本触れずにどうやって子供ができるんだ!」や「あいつ(寅さん)って何株式会社だったっけ?」、寅さんが修行をしても3日しか持たずお坊さんになることに対して軽んじていることに怒っている御前様に対して「三日坊主とはこのことですね」といった名言や失言も生まれています。また、変なところで「この伯父さん(寅さん)がこの頭で小学校を卒業するのは並大抵の努力じゃないんだ!」など真面目になっていくことも下條さんバージョンの醍醐味です。ちょっと余談ですが、松村さんはおいちゃんを演じる前に医師の役を演じ、退いた後に高校教師、和尚様などを演じるなど端役として出演を続けていました。

満男くんも1作は当時は赤ちゃんだった後の和菓子職人が演じ、2作目から「柴又慕情」を除く「かもめ歌」まで演じた中村はやとさんのときは活発な男の子というイメージでした。尚、中村はやとさん自身本来事務所や劇団に所属している子役ではなく2作目で泣かない赤ちゃんを探した際、そのとき見つかった近くの電気屋さんの赤ちゃんがこの中村さんであり、つまり一般人でした。尚、「あの人は今」ではサラリーマンをやっていることが判明されます。「浪花の恋の寅次郎」以降は後にDr.コトー診療所などで有名となる吉岡秀隆さんに交代し、「小学校は誰でも卒業できるんだよ!」や「こんなところで喧嘩するなよ!」など生意気な言動や「大学落ちたら伯父さんに弟子入りするか」など逃げるような発言が目立ってきます。また「ぼくの伯父さん」以降は渥美清さんの体調面の配慮のため、寅さんの出番が減りその分、満男くんの恋愛ストーリーが増える展開になってきており、後半は実質主役になっています。

他にも渥美さんは癌の絡みで先述の通り出番が減ってきている他、タコ社長、御前様は衰えが目立つようになりタコ社長は後半になるにつれ糖尿病より痩せてきており、御前様は晩年である「青春」では俳優さんの自宅で撮影するなど出番が激減していました。尚、御前様を演じた笠智衆さんはその後亡くなり、御前様としての出番はなくなりましたが「縁談」では「身延山に行っている」、「寅ちゃんのことを話していた」ことが冬子さんや源光から聞いており健在という設定にされています。尚、「お帰り 寅さん」ではおいちゃん、おばちゃん、タコ社長は既に亡くなり御前様は笹野高史さん演じるちょっと抜けていて時間を聞き間違えているなどこれまでの御前様とは違った後代に変わっているなど大きな変化があります。満男くん始めさくらや博も続投でしたが、満男くんは小説家、さくらや博はくるまやに戻りおいちゃんとおばちゃんのポジションに変わるなどが変化点です。

また、スタッフも長年カメラマンを務めた高羽哲夫さんが1995年に亡くなっており寅さんファミリーなどキャストやスタッフに大きな衝撃をもたらしました。

49作目、50作目決定の経緯

1996年もマドンナが田中裕子さん、そのお兄さんに西田敏行さんを出演させ、ストーリーも「マドンナが中絶した子供の父親が寅さんか、と兄が疑い、その後寅さんがこの兄妹の後見人になる。」「満男くんシリーズの完結編として泉さんと満男くんを結婚させ、甥の結婚を見届けた寅次郎は放浪の終焉を宣言し、第50作に繋げる」と言うストーリーで「寅次郎花へんろ」の撮影を予定しており、翌1997年も50作目もマドンナが黒柳徹子さんで「テキ屋を引退した寅さんは幼稚園の用務員になって働くも子供と遊んでいるときに寅さんが亡くなり、地蔵を作ることを考え始める…」と言ったストーリーを予定していましたが、1996年8月4日に寅さんを演じた渥美清さんが亡くなり何れもお蔵入りとなりシリーズ打ち切りになりました…が、ファンからの要望もあり最も人気があった「ハイビスカスの花」をリメイクし、靴の営業をしに日本各地を出張している満男くんが寅さんとリリーを振り返ることで「ハイビスカスの花」のシーンが流れて、その後満男くんが柴又に戻っていくという「ハイビスカスの花特別編」が1997年に49作として作られ、22年後の2019年には令和になって完全に新しくなった50作目「お帰り 寅さん」が上映され先述の通り満男くんは妻に先立たれながら1児の父となり小説家として活躍し、博は定年退職してさくらと共にくるまやに戻り、くるまやはカフェに生まれ変わり、泉さんは外国で結婚して働くようになるなど登場人物も一気に変わっていき、これまでのシリーズを振り返っていくという内容になりました。

キャスト亡き後の対応

俳優さんや女優さんといったキャストが亡くなったりその役を降板した場合、先述の通りおいちゃんと満男くん2回交代しましたが、最終的に50作の段階ではおいちゃんは松村さん、下條さん共に亡くなっており、おばちゃんも三崎千恵子さんも亡くなっているため遺影として登場したりタコ社長も太宰久雄さんが亡くなっているため裏設定でパンフレットに亡くなっていることが仄めかされたりとキャストが亡くなった場合その役柄の人物も亡くなっている設定でいることが多いです。御前様も「縁談」の段階では健在の扱いでしたが、50作の段階では設定上亡くなっているか、住職を退いているかは不明ですが、後代の御前様に代わっています。他にも博の父親で寅さんも「先生」と呼び慕っている諏訪一郎(ひょういちろう)も1作では博とさくらの結婚式、「恋歌」では博の母で先生の妻の葬儀と先生が柴又に訪ねたり、「噂の寅次郎」では旅先で寅さんと再会したりと3作登場していましたが、それ以降は亡くなっていることが仄めかされ、葬儀の場面はなかったものの「口笛を吹く寅次郎」で寅さんが墓参りをしている場面があります。尚、寅さんのみ例外で実質は消息不明ですが、遺影がなかったりさくらの「お兄ちゃんがいつ帰ってきてもいいように」や満男くんの「伯父さん、帰ってきてくれないかな」のセリフから登場人物の間ではまだ生きていると認識しているようです

あと、寅さんも渥美さん亡き後は後任も噂もされ報道もされたらしいのですが、山田監督の「寅さんは渥美さんでないといけない」と言う方針により実現はされておらず、49作、50作の寅さんは渥美さん生前の映像のみの出演(ライブラリ出演)でした。

主題歌も48作までは癌で衰えていようと渥美さんが担当していましたが、49作は八代亜紀さん、50作では桑田佳祐さんが担っており、50作の主題歌では渥美さんは生前の映像流用ですが桑田さんと共演しています。

ざっと語っていきましたが、これからも寅さんシリーズは書いていきたいと思います!